問題
プロラクチンについて正しいのはどれか。
- 乳汁産生を促す。
- 排卵を促す。
- ステロイドホルモンである。
- 下垂体後葉から分泌される。
解答: 1(乳汁産生を促す。)
解説
- 正しい。プロラクチン(PRL)は下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンで、乳腺に作用して乳汁の産生を促進する。妊娠中・授乳中に分泌が増加し、吸啜刺激により持続的に分泌が維持される。プロラクチンの分泌調節は特殊で、視床下部のドーパミンが抑制因子として作用する(通常のホルモンは放出因子が主)。
- 誤り。排卵を促すのはLH(黄体形成ホルモン)である。プロラクチンはむしろGnRH分泌を抑制して排卵を抑制する方向に作用する(授乳性無月経の原因)。
- 誤り。プロラクチンはペプチドホルモン(アミノ酸鎖からなる蛋白質ホルモン)であり、コレステロール由来のステロイドホルモンではない。
- 誤り。プロラクチンは下垂体前葉から分泌される。後葉から分泌されるのはオキシトシンとバソプレシン(ADH)の2つのみである。
ポイント
プロラクチンの4つの基本事項は「乳汁産生促進・排卵抑制・ペプチドホルモン・下垂体前葉」である。
- 覚え方のコツ: 「プロラクチン=Pro(専門家の)Lactin(乳の)→乳の専門家→乳汁を作る」と連想する。「作る=プロラクチン、出す=オキシトシン」の区別が重要。
- 関連知識: プロラクチンの分泌調節はドーパミンによる抑制が主。下垂体茎の切断や腫瘍圧迫ではドーパミンが遮断されプロラクチンが過剰分泌される。高プロラクチン血症では無月経・乳汁漏出が生じる。
- よくある間違い: 「乳に関わるホルモン」として後葉のオキシトシン(射乳)と混同しやすい。また「排卵を促す」という選択肢で誤答しやすいが、排卵促進はLHの作用。プロラクチンはむしろ排卵を「抑制」する。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| 項目 | プロラクチン | オキシトシン |
|---|---|---|
| 分泌部位 | 下垂体前葉 | 下垂体後葉 |
| 化学的分類 | ペプチドホルモン | ペプチドホルモン |
| 乳腺への作用 | 乳汁産生促進 | 射乳反射 |
| 排卵への影響 | 抑制 | 関与しない |
| 分泌調節 | ドーパミンで抑制 | 吸啜刺激・子宮伸展 |
表: プロラクチンとオキシトシンの比較
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