問題
シナプス伝達で誤っている記述はどれか。
- 反復刺激後増強がある。
- シナプス小胞内に受容体がある。
- 一方向性伝達である。
- 薬物の影響を受けやすい。
解答: 2(シナプス小胞内に受容体がある。)
解説
- 正しい。反復刺激によりシナプス伝達効率が一時的に増強する現象(シナプス後増強=PTP)が存在する。これは反復刺激によりシナプス前終末でCa2+が蓄積し、伝達物質の放出量が増加するためである。
- 誤り。受容体はシナプス小胞内ではなく、シナプス後膜(後シナプス膜)上に存在する。シナプス小胞内には神経伝達物質が蓄えられており、活動電位が軸索終末に到達するとCa2+流入により小胞がシナプス前膜と融合(エキソサイトーシス)して伝達物質がシナプス間隙に放出される。放出された伝達物質は後膜上の受容体に結合して信号伝達が行われる。
- 正しい。化学シナプスでは伝達物質はシナプス前膜から放出され後膜の受容体に結合するため、構造的に一方向性の伝達である。これは神経線維の両方向性伝導とは対照的な特徴である。
- 正しい。シナプス伝達は伝達物質の合成・放出・受容体結合・再取り込み・分解の各段階で薬物の影響を受けやすい。多くの薬物(麻酔薬、筋弛緩薬、抗うつ薬など)がシナプスレベルで作用する。
ポイント
シナプス小胞内には「伝達物質」が蓄えられており、「受容体」はシナプス後膜に存在する。この区別が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「小胞=伝達物質を入れる袋」「後膜=受容体がある場所」と場所と役割をセットで覚える。「手紙(伝達物質)は封筒(小胞)に入れて、ポスト(後膜の受容体)に届ける」とイメージする。
- 関連知識: シナプスの特徴として「一方向性伝達・シナプス遅延・疲労・加重(空間的加重・時間的加重)」も重要である。問604(化学シナプスの伝達機構)も参照のこと。
- よくある間違い: 「シナプス小胞に受容体がある」と「シナプス後膜に受容体がある」を混同しやすい。受容体は常に後膜側に存在する。
- 教科書では「c.シナプス伝達」の範囲に該当する。
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