問題
オキシトシンについて誤っているのはどれか。
- ポリペプチド型ホルモンである。
- 子宮筋を収縮させる。
- 射乳反射を生じる。
- 下垂体前葉から分泌される。
解答: 4(下垂体前葉から分泌される。)
解説
- 正しい。オキシトシンは9個のアミノ酸からなるポリペプチド型ホルモンである。バソプレシンも同様に9個のアミノ酸からなり、構造が類似している。
- 正しい。オキシトシンは子宮平滑筋を収縮させ、分娩を促進する。分娩時には正のフィードバック(ファーガソン反射)により子宮収縮が増強される。
- 正しい。乳児の吸啜刺激によりオキシトシンが分泌され、乳腺の筋上皮細胞を収縮させて射乳反射が起こる。
- 誤り。オキシトシンは視床下部の室傍核で合成され、軸索輸送により下垂体「後葉」から分泌されるホルモンである。「前葉」からの分泌ではない。下垂体後葉ホルモンにはオキシトシンとバソプレシンの2つがあり、いずれも視床下部で産生される神経分泌ホルモンである。前葉のホルモン(GH、PRL等)とは合成・分泌の機構が根本的に異なる。
ポイント
オキシトシンは視床下部で合成され下垂体「後葉」から分泌される(前葉ではない)。
- 覚え方のコツ: 後葉ホルモンは「オバさん」=「オ(キシトシン)・バ(ソプレシン)」の2つ。後葉ホルモンは「視床下部で作って後葉から出す」(神経分泌)。前葉ホルモンは「前葉の細胞自体が作って出す」。
- 関連知識: オキシトシンの3つの特徴は「ペプチド型」「子宮収縮」「射乳反射」である。分娩時のファーガソン反射は生理学における正のフィードバックの代表例として重要である。
- よくある間違い: 下垂体の「前葉」と「後葉」の混同は最頻出の誤りである。プロラクチン(乳汁産生)は前葉、オキシトシン(射乳)は後葉と、乳汁関連でも分泌部位が異なる。
- 教科書では「c.下垂体のホルモン」の範囲に該当する。
| 分泌部位 | ホルモン | 主な作用 |
|---|---|---|
| 前葉 | 成長ホルモン(GH) | 成長促進、血糖上昇 |
| 前葉 | プロラクチン(PRL) | 乳汁産生促進 |
| 前葉 | 甲状腺刺激ホルモン(TSH) | 甲状腺ホルモン分泌促進 |
| 前葉 | 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH) | コルチゾール分泌促進 |
| 前葉 | 卵胞刺激ホルモン(FSH) | 卵胞発育/精子形成 |
| 前葉 | 黄体形成ホルモン(LH) | 排卵誘発/黄体形成 |
| 後葉 | オキシトシン | 子宮収縮、射乳 |
| 後葉 | バソプレッシン(ADH) | 水の再吸収促進 |
表: 下垂体ホルモンの一覧
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