問題
エストロゲンについて誤っているのはどれか。
- 排卵期に増加する。
- ステロイドホルモンである。
- 卵胞刺激ホルモンにより分泌が亢進する。
- 黄体で産生される。
解答: 1(排卵期に増加する。)
解説
- 誤り。エストロゲンの分泌ピークは排卵期ではなく卵胞期後期(排卵直前)である。卵胞の成熟とともにエストロゲンの分泌は徐々に増加し、排卵の約24〜36時間前にピークに達する。このピークがLHサージを誘発し排卵が起こる。排卵後はエストロゲンは一旦低下し、黄体期にやや上昇するが卵胞期ほどではない。「排卵期に増加」ではなく「卵胞期に増加してピークを迎え、排卵を誘発する」が正確な表現である。
- 正しい。エストロゲンはコレステロールを前駆体として合成されるステロイドホルモンであり、脂溶性で細胞内受容体(核内受容体)に結合して遺伝子発現を調節する。
- 正しい。FSH(卵胞刺激ホルモン)は卵巣の卵胞顆粒膜細胞に作用し、エストロゲンの合成・分泌を促進する。
- 正しい。黄体でもエストロゲンは産生される。ただし主たる産生部位は発育中の卵胞の顆粒膜細胞であり、黄体からの産生は補助的である。
ポイント
エストロゲンのピークは排卵期ではなく卵胞期後期(排卵直前)であり、このピークがLHサージを誘発して排卵を起こす。
- 覚え方のコツ: 「エストロゲン↑→LHサージ→排卵」の順番で覚える。エストロゲンが先に上昇し、その結果として排卵が起こるのであって、排卵期にエストロゲンが増えるのではない。
- 関連知識: エストロゲンには正のフィードバック(高濃度でLHサージ誘発)と負のフィードバック(低濃度でGnRH/FSH/LH抑制)の両方がある。閉経後はエストロゲン低下により骨粗鬆症のリスクが高まる。
- よくある間違い: 「排卵期に増加」と「卵胞期に増加」の混同。選択肢4の「黄体で産生される」も正しい記述であるため、消去法で1が誤りと判断する必要がある。
- 教科書では「i.卵巣のホルモン」の範囲に該当する。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント