問題
アキレス腱反射の反射弓について正しいのはどれか。
- 受容器は腱器官である。
- 求心性線維はⅠa群線維である。
- 遠心性線維はc運動ニューロンである。
- 効果器は錘内筋である。
解答: 2(求心性線維はⅠa群線維である。)
解説
- 誤り。アキレス腱反射の受容器は筋紡錘であり、腱器官(ゴルジ腱器官)ではない。腱を叩打する刺激が筋全体を急速に伸展させ、筋内に存在する筋紡錘が興奮する。腱器官は自原抑制に関与する別の受容器である。
- 正しい。アキレス腱反射の求心性線維はIa群線維である。アキレス腱を叩打すると下腿三頭筋の筋紡錘が伸展され、Ia群求心性線維(最も太い有髄神経線維、伝導速度70〜120 m/s)を通じて脊髄のS1〜S2前角に信号が伝えられる。そこでα運動ニューロンに単シナプス性に接続し、下腿三頭筋が収縮して足関節が底屈する。
- 誤り。遠心性線維はα運動ニューロン(Aα線維)である。γ運動ニューロンは筋紡錘の錘内筋線維を支配する遠心性線維であり、伸張反射の遠心路ではない。
- 誤り。効果器は錘外筋(骨格筋本体:下腿三頭筋=腓腹筋+ヒラメ筋)である。錘内筋はγ運動ニューロンに支配される筋紡錘内の筋線維であり、伸張反射の効果器ではない。
ポイント
アキレス腱反射の反射弓:筋紡錘(受容器)→Ia群線維(求心路)→脊髄S1-S2前角→α運動ニューロン(遠心路)→下腿三頭筋=錘外筋(効果器)。
- 覚え方のコツ: 「伸張反射の反射弓は”筋紡錘→Ia→α→外筋”」と4ステップで覚える。「腱器官」「Ib」「γ」「錘内筋」はすべて誤りの選択肢として登場する紛らわしい用語である。
- 関連知識: アキレス腱反射の反射弧レベルはS1〜S2であり、膝蓋腱反射(L2〜L4)とともに下肢の腱反射検査で重要である。糖尿病性ニューロパチーではアキレス腱反射が早期に消失する。
- よくある間違い: 受容器を「腱器官」、遠心路を「γ運動ニューロン」、効果器を「錘内筋」と答えるケース。これらはすべて伸張反射の構成要素ではなく、別の経路に属する。問題798のα・γの区別と合わせて整理する。
- 教科書では「a.脊髄レベルでの調節」の範囲に該当する。
| 反射弓の構成要素 | アキレス腱反射 | 誤りの選択肢に登場するもの |
|---|---|---|
| 受容器 | 筋紡錘 | 腱器官(ゴルジ腱器官) |
| 求心路 | Ia群線維 | Ib群線維 |
| 遠心路 | α運動ニューロン | γ運動ニューロン |
| 効果器 | 錘外筋(下腿三頭筋) | 錘内筋 |
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