問題
「痛い思いをしたので近寄りたくない。」と思うことに関係が深いのはどれか。
- 大脳辺縁系
- 大脳基底核
- 中 脳
- 延 髄
解答: 1(大脳辺縁系)
解説
- 正しい。「痛い思いをしたので近寄りたくない」という思考は、過去の不快な経験(痛み)と特定の状況を結びつける情動記憶・恐怖条件づけに基づくものである。この機能を担うのが大脳辺縁系、特に扁桃体である。扁桃体は恐怖・不安などの情動反応の形成と情動記憶の固定に重要な役割を果たす。また海馬は出来事の記憶(エピソード記憶)の形成に関与し、扁桃体と協調して情動を伴う記憶を強化する。
- 誤り。大脳基底核は随意運動の調節に関与する構造であり、情動記憶とは直接関係しない。
- 誤り。中脳は姿勢調節や対光反射に関与し、情動行動の主要な中枢ではない。
- 誤り。延髄は呼吸・循環・嚥下など生命維持に関わる自律機能の中枢であり、情動記憶には関与しない。
ポイント
情動記憶・恐怖条件づけは大脳辺縁系(特に扁桃体)の機能である。
- 覚え方のコツ: 「辺縁系=感情の脳」と覚える。扁桃体は「扁=偏った感情=恐怖・不安」、海馬は「馬が海を覚えている=記憶」と連想する。
- 関連知識: 扁桃体の両側損傷ではクリューバー・ビューシー症候群(恐怖反応の消失、過食、性行動異常など)が生じる。PTSD(心的外傷後ストレス障害)では扁桃体の過活動が関与するとされる。
- よくある間違い: 情動と記憶を別々の脳構造に帰属させてしまうこと。情動記憶は扁桃体と海馬が協調して機能する大脳辺縁系の統合的な働きである。
- 教科書では「b.大脳辺縁系」の範囲に該当する。
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